1.
声を潜(ひそ)めて 鳴いている
あなた・あなた・あなた 聞こえますか
ホタルの鳴く声が
情けの澱(よど)みに 住みついて
いつか覚えた 酒・たばこ
ここが住処(すみか)と 漂いながら
諦め切れない 望みを灯す
あゝ 夢を求めて 躰(み)を焦(こ)がす
2.
この躰焦がして 舞い燃える
あなた・あなた・あなた 見えていますか
ホタルの命火が
あなたに逢いたい 甘えたい
固い衣(ころも)に 薄い羽
石の礫(つぶて)で 追われて落ちる
早瀬や渓谷(たに)とて 厭(いと)わぬ覚悟
あゝ 想い渦巻く 情け淵(ぶち)
3.
酒に縋(すが)って 生きている
あなた・あなた・あなた 解りますか
ホタルの生き様が
人目を忍んだ いで湯里
あなた一人に 燃え輝(ひか)る
一夜(ひとよ)限りの ホタル火吐息
想いを灯して 情けに縋(すが)る
あゝ 泪(なみだ)見せない 鳴きボタル