雪の降る夜 猫を拾った
ブルーの目をした 可愛い仔猫
俺を睨んで ふーふー唸る
だから名前をふー子とつけた

半年経つと みるみる太り
アカンベをして 大の字で寝る
少しは俺に慣れたみたいだ
思い通りに ならない女
そんなおまえが とても愛しい


風鈴が鳴る 夏の夕暮れ
ふー子は何処かへ 行ってしまった
リボンを着けた 可愛い写真
電信柱に ペタペタ貼った

夏が過ぎると 秋風が吹く
ふー子の写真 剥がれて飛んだ
温もりだけが 腕に残った
空に浮かんだ まん丸な月
おまえは何処で 見上げてるのか

また冬が来る 寒くはないか
痩せていないか 事故に遭うなよ
腹を空かせて 泣いていないか