昔惚れた　人に似た
昭和生まれの　海女さんよ
島で育った　明るさが
話に花を　咲かせてる
「おはようさん　磯日和やな」
「暑い日は　潜るが一番やで」
自転車チリリン　風を切る
鳥羽の港は　夏の風

笑顔あふれ　可愛くて
昭和生まれの　海女さんよ
力いっぱい　持ち上げた
磯桶の中　海の幸
「若いもんに　負けられやん」
「ありがとう　元気が一番やで」
手拭いキリリと　巻きながら
鳥羽の水面に　立つ姿

昭和の絵葉書　覗いたら
あの日出会った　鳥羽の海女
思いを告げずに　泣いたんだ
昔惚れてた　人だった